Japanische Klassiker mit Furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme
六右衛門さんは満州事変がはじまったとき、ちゃんと太平洋戦を見ぬいていて、戦争が勝っても負けても、金利生活者は根こそぎ絶やされてしまうだろうといっていた。ヤット子爵の貧乏華族より、六右衛門さんのほうがずっとよく時勢を知っている。ご心配はいらない。
ママがいった。
「あのひとたちは、あれでなかなか真人間なんですよ。六右衛門さんがいっていました。わたしたちは金があって食べることの心配がないから、あるだけの時間で日本のことを考えることができるって。傲慢ないいかたですが、あたしにはよく本心がわかりました」
「考えるだけですむなら、誰も苦労はしないでしょう。クラブというからなにをしているのかと思ったら、療養所の外気室のようなヴェランダのついたコテージの中へ、酒場だの、グリルだの、モンテ・カルロ式の鳩射場などをこしらえて、戦争中、毎日パァティをして遊んでいたというんですから」
ママがまたいった。
「あの貧弱な身体で、長謙さんがフランス一周の自転車競走に参加したことをごぞんじですか」
「知って居ります」
「日本人が一人も参加していないので、腹をたてたんだそうです。古い話ですが、K7さんがドオヴィル海岸の世界最初の自動車競走に、ただ一人の日本人として参加しましたが、K7さんは自動車がひっくりかえって死ぬものと、はじめから覚悟していたん