Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんきんしょう
ちくま日本文学014 谷崎潤一郎
谷崎 潤一郎
Lesen Sie ちくま日本文学014 谷崎潤一郎 (しゅんきんしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.196 Zeichen · 169 Bildschirme
川上の荘の口碑を集めたある書物によると、南朝の遺臣等は一時北朝方の襲撃を恐れて、今の大台ヶ原山の麓の入の波から、伊勢の国境大杉谷の方へ這入った人跡稀な行き留まりの山奥、三の公谷と云う渓合いに移り、そこに王の御殿を建て、神璽はとある岩窟の中に匿していたと云う。また、上月記、赤松記等の記す所では、あらかじめ偽って南帝に降っていた間嶋彦太郎以下三十人の赤松家の残党は、長禄元年十二月二日、大雪に乗じて不意に事を起し、一手は大河内の自天王の御所を襲い、一手は神の谷の将軍の宮の御所に押し寄せた。王はおん自ら太刀を振って防がれたけれども、ついに賊のために斃れ給い、賊は王の御首と神璽とを奪って逃げる途中、雪に阻まれて伯母ヶ峰峠に行き暮れ、御首を雪の中に埋めて山中にひと夜を明かした。しかるに翌朝吉野十八郷の荘司等が追撃して来て奮戦するうち、埋められた王の御首が雪中より血を噴き上げたために、たちまちそれを見附け出して奪い返したと云う。以上の事柄は書物によって多少の相違はあるのだが、南山巡狩録、南方紀伝、桜雲記、十津川の記等にも皆載っているし、殊に上月記や赤松記は当時の実戦者が老後に自ら書き遺したものか、あるいはその子孫の手に成る記録であって、疑う余地はないのである。