Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんきんしょう
ちくま日本文学014 谷崎潤一郎
谷崎 潤一郎
Lesen Sie ちくま日本文学014 谷崎潤一郎 (しゅんきんしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.196 Zeichen · 169 Bildschirme
―――と、おりと婆さんはそう語ってから、ふと思い出したように、立って仏壇の扉を開いて、位牌の傍に飾ってあった一葉の写真を持って来て示した。それは津村も見覚えのある、母が晩年に撮影した手札型の胸像で、彼もその複写の一枚を自分のアルバムに所蔵しているものであった。
「そう、そう、あなた様のお袋さまの物は、―――」
と、おりと婆さんはそれからまた何かを思い出した様子で附け加えた。
「この写真の外に、琴が一面ございました。これは大阪の娘の形見だと申して、母が大切にしておりましたが、久しく出しても見ませぬので、どうなっておりますやら、………」
津村は、二階の物置きを捜したらあるだろうと云うその琴を見せて貰うために、畑へ出ていた由松の帰りを待った。そしてその隙に近所で昼食をしたためて来てから、自分も若夫婦に手を貸して、埃の堆い嵩張った荷物を明るい縁先へ運び出した。
どうしてこんな物がこの家に伝わっていたのであろう、―――色褪せた覆いの油単を払うと、下から現れたのは、古びてこそいるが立派な蒔絵の本間の琴であった。蒔絵の模様は、甲を除いたほとんど全部に行き亘っていて、両側の「磯」