Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんきんしょう
ちくま日本文学014 谷崎潤一郎
谷崎 潤一郎
Lesen Sie ちくま日本文学014 谷崎潤一郎 (しゅんきんしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.196 Zeichen · 169 Bildschirme
と。これらの記事が春琴を視ること神のごとくであったらしい検校から出たものとすればどれほど信を置いてよいか分らないけれども彼女の生れつきの容貌が「端麗にして高雅」であったことはいろいろな事実から立証される。当時は婦人の身長が一体に低かったようであるが彼女も身の丈が五尺に充たず顔や手足の道具が非常に小作りで繊細を極めていたという。今日伝わっている春琴女が三十七歳の時の写真というものを見るのに、輪郭の整った瓜実顔に、一つ一つ可愛い指で摘まみ上げたような小柄な今にも消えてなくなりそうな柔かな目鼻がついている。何分にも明治初年か慶応頃の撮影であるからところどころに星が出たりして遠い昔の記憶のごとくうすれているのでそのためにそう見えるのでもあろうが、その朦朧とした写真では大阪の富裕な町家の婦人らしい気品を認められる以外に、うつくしいけれどもこれという個性の閃めきがなく印象の稀薄な感じがする。年恰好も三十七歳といえばそうも見えまた二十七八歳のようにも見えなくはない。この時の春琴女はすでに両眼の明を失ってから二十有余年の後であるけれども盲目というよりは眼をつぶっているという風に見える。