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Japanische Klassiker mit Furigana

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つぼみ

つぼみ

宮本 百合子

Lesen Sie つぼみ von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.918 Zeichen · 44 Bildschirme

Aozora Bunko

私はこう思いながら笑った。涙は流れる、けれども口元には笑いがただよって居る。自分に分らないこんざつした気持を希臘時代の絵のような不思議なこころもちでソーッとのぞいて居る。しずけさ、――私の頬にはまだ涙が流れて居る。限りないこのうれしさ、しずけさの中に私はマア、……。ほんとにうれしい!

低気圧の強い時

鏡ん中には片っ方は妙に曲ってふくれた、も一方は青い色にしなびて居る私の頬をうつして居る。「にくいむしばめが……」形のない、又目にも見えないものを私は斯うしかりつけた。

たまらないほどイライラする気持で鏡の前を飛びさった。そして、私のかおのうつるものとては一つもない部屋――私の本ばかりある部屋に入った。机の前に腰をかけて何心なく頬杖をつくと片方の違いが又ハッと思うほどわかる。「いやんなっちまう」こんな事を云ってしまつの悪い二本の不細工な手を卓子の上にパタッとなげつけた。まぎらそうとして本箱の本を見ては一々その中の事を思い出して居る。順々に見て居ると私のすきなのが二冊見えない。又あれがもってんだと思うと、すぐだらしのない、ウジウジした袴をいつでもおしりっこけにはいて居る男の様子が目の前にうかぶ「よりによって私のすきなのをもってかずといいに――たった一度見たけりゃあもってってもいいって云ったら、いい気んなっ