Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
気色に包まれてしまった。それはまるで三人の訪問者が、静かな山の家へわざわざ騒ぎの種を持ちこんだようなものだ。
恰度美しい夕暮時で、わけても晴れた日のこの辺りは、西北に聳え立つ御坂山脈に焼くような入日を遮られて、あたりの尾根と云い谷と云い一面の樹海は薄暗にとざされそれがまた火のような西空の余映を受けて鈍く仄赤く生物の毒気のように映えかえり、そこかしこに点々と輝く鏡のような五湖の冷たい水の光を鏤めて鮮かにも奇怪な一大裾模様を織りなし、寒々と彼方に屹立する富士の姿をなよやかな薄紫の腰のあたりまでひッたりとぼかしこむ。東の空にはけれどもここばかりは拗者の本性を現わした箱根山が、どこから吹き寄せたか薄霧の枕屏風を立てこめて、黒い姿を隠したまま夕暗の中へ陥ちこんで行く。やがて山荘の窓には灯がともった。その窓に慌だしげな人影がうつる。云い忘れたが岳陰荘は二階建の洋館で、北側に門を構え、階下は五室、二階は東南二室からなり、その二室にはそれぞれ東と南を向いて一つずつの大きな窓がついていた。川口亜太郎の死はこの二階の東室で発見された。
まだ旅装も解かぬままにその上へ仕事着を着、右手には絵筆をしっかりと握って、部屋の中央にのけぞるように倒れている亜太郎の前には、小型の画架に殆ど仕上った一枚の小さな画布が仕掛けてあり、調色板は