Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
先日、私が川口不二を容疑者として連行した時に、あなたは、私が物的証拠を掴んでいないのを責められた。で、恰度あの場合と同様に、いま、あなたの云われる話について、なにか正確な証拠を見せて頂きたい」
「判りました」と大月もいささかムキになった。「必ずお眼に掛けましょう。が、いま直にと云う訳には参りません。私の方からお招きに上るまで、待って下さい。必ずお眼に掛けます」
「……」
司法主任は、くるりと後を振り向くと、足音も荒く、さっさと帰ってしまった。
五
さて、大月弁護士が、司法主任への約束を果したのは、それから二日目の、天気のよく晴れ渡った日暮時のことであった。
大月と司法主任は、東室の長椅子に腰掛けて、窓の方を向いてお茶を飲んでいた。
司法主任は、相変らず御機嫌が悪い。焦立たしげに舌打ちしながら、やがて大月へ云った。
「まだですか?」
「ええ」
「まだ、出ないんですか?」
「ええ、もう少し待って下さい」
そこで司法主任は改めてお茶を飲みはじめた。が、暫くすると、一層焦立たしげに、
「いったい、その怪しげな奴とやらは、確かに出て来るんですか?」
「ええ、確かに出て来ますとも」