Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
「まったく」と予審判事が青い顔をして割り込んだ。「……そんな奴等が、万一、婦女子の多い市内へでも逃げ込んだら……どうなる?」
「恐ろしいことだ」と検事は声を顫わせながら、司法主任へ云った。「いや全く、ぐずぐずしてはいられない。直ぐに警官を増援してくれ給え。そうだ、全市の交番へも通牒して……」
吉岡司法主任は、眼の色を変えて、あたふたと母屋の電話室へ駈け込んで行った。
現場から警察へ、警察から市内の各交番へ……急に引締った緊張が眼苦しく電話線を飛び交わして、赤沢脳病院の仮捜査本部は色めき立って来た。
間もなく増援されて来た警官隊は、二手に分けられて一部は市内へ、一部は脳病院の禿山を中心として郊外一帯へ、直ちに派遣されて行った。
けれども、好もしい情報は仲々やって来なかった。司法主任は苛立たしげに歯を鳴らした。まだこれ以上の兇悪な事件がもちあがらないだけが、せめてもの幸だった。
――だが愚図愚図してはいられない。少しも早く逮捕して、惨事を未然に防がねばならない。そうだ、それにしても、もしも狂人達が人を恐れてどこかへ身を隠したとしたなら、こいつは仲々困難な問題だ。