Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
けれども二丁と走らない内に、もう彼はその影を見失ってしまったんです。やがて、
「お――い!」
と、助役の呼んでいる声が聞えました。
で、吉岡は、何だか責任みたいなものを感じながらも、ま、仕方なしにカーブの処まで戻って来ました。
すると、「なに、構わないよ」と片山助役が呼び掛けました。「急る事はないさ。それよりも、まず、この豚公を御覧よ……どうも僕は、ただ縄で縛って置くだけではそう何度もうまい工合に轢かれる筈はない、と最初から睨んでいたんだ」
見ると、成る程豚は少し変です。四足を妙な恰好に踏ン張って時々頭を前後に動かしながら、苦しそうに喉を鳴らして盛んに何かを吐出しているんです。
「毒を飲まされたのさ」
そう言って助役は、結んである縄を解き始めました。そして間もなく二人は、可哀想な豚を引摺る様にして、自動車の待たしてある方角へ松林の中を歩き出しました。けれども途中幾度か激しい吐瀉に見舞われた豚は、自動車のある処まで来るととうとう動かなくなってしまいました。痙攣を起したんです。で、仕方なく側の立木へ縛って置いて、驚いている運転手へ彼等だけB町の派出所へ遣る様に命じました。