Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

「さあ、もう一度今度は前進して下さい。最徐行で頼みます――おっと、問題のクーペは、ルーム・ランプが消えていたんだ。室内が明るくちゃアいかん。消して下さい」

自動車は灯を消して動き出した。

「いったい、どうしたんです?」

暗の中で警部補が堪兼ねたように叫んだ。

「いや判りかけたんです。真相が判りかけたんです。いまに出ますよ」

「何が出て来るんです?」

「直ぐですから待って下さい」

自動車は先刻の位置へ徐行を続ける。C字カーブの終りの角の直前だ。道がグッと左に折れているので、ヘッド・ライトの光の中には、真黒な谷間の澄んだ空間があるだけだ。

前を見ていた大月氏が、突然叫んだ。

「そら出た。止めて!」

「なにが出たです?」警部補だ。

「もう消えました。直ぐまた出ます。そこでは見えません。ずッとこちらへ来て下さい」

警部補は乗り出して、操縦席の大月氏の横へひょいと顔を出して前を見た。

「何も見えませんよ」

「いや。直ぐ出ます。……そら! 出たでしょう。いや、自動車の外じゃあない。直ぐ眼の前の硝子窓です」

「ああ!」

――直ぐ眼の前の窓硝子の表面には、L字を逆立ちさせたような、有り得べからざる右曲りの矢標を書いた標識が、明るく、近く、ハッキリと写った。