Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
迷っていた、とこう云うんです。こいつア全く筋が通ってますよ。弁護士は俄に元気づいて、日本橋の北島町から浅草の蔵前まで、車を引ッ張って五分や十分じゃア絶対に行けないって頑張るんです。そこで裁判長から、証人に対して時間の点や、被告と対決さしてその人相に見誤りはないかなぞと念押しがあり、検事さんと弁護士の押問答があって、結局判決は次回に廻されたんです。……さあ、その間に検事さんはやっきになって、その「つぼ半」の女将と洗濯屋の書生ッぽとの間に、ナニか特別な関係でもあるんではないかってんで、刑事を八方に飛ばして調べたんですがサッパリ駄目……どう洗ったってまるッきりのアカの他人で、「つぼ半」の女将はまさに正当な証人ってことになるんです……全く、その書生ッぽは果報者ですよ。おまけに証人は特製の別嬪と来てるんですから、冥利につきまさアね……でまア、そんなわけで、やがて洗濯屋は証拠不充分で無罪を判決され、ひとまずその事件もケリがついたんです……
ところで……話はこれからが面白くなるんです。
と云うのは――そんな事件があってから、左様……半歳もした頃のことでしたね……やはり、その刑事部の今度は三号法廷で、或る放火事件の公判があったんです……むろん係りの判事さんも検事さんも、前の窃盗事件の時とは違っていましたが、で、その放火