Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
の顔を見ると、涼しげな声で、
「ハイ、確かにこの方でございます」
とやらかしたんだそうですよ。
むろん殺人事件の判検事は、前の時とはまた係りが違ってたもんですから「つぼ半」の女将がそんなに何度も証人をした女だなんてことは、つい気づかずにいたんです。ところが、菱沼弁護士は、さアもう不審でたまりません。……けれどもこれとても偶然――と云ってしまえば、それまでですし、検事側でも一旦証人を採用するからには、むろん相当な吟味もした上でのことですから、うっかりこちらで早まった騒ぎかたをして、挙げた足をとられるようなことになってもやり切れない、と菱沼さんは考えたんです。で、幸いその日の公判は、それでひとまず閉廷になりましたし、判決までにはまだまだかなり間がありそうに思えたので、この上は、次回の公判までに、ひょっとすると「つぼ半」の女将は、ありもしない偽りの証言をしてるのかも知れないから、是が非でも徹底的に調べ上げて、あわよくば裁判を逆の結果に導こうと、ま、そう云う悲壮な決心をされたんですよ。
いや、まったく、それからの菱沼さんの真剣ぶりと来たら、ハタで見る目も恐ろしいくらいでしたよ……むろん他にもいくつかの事件に関係している忙しい体ですから、毎日役所へは出て来られましたが、それでも流石に、ひどく鬱ぎ込んでる日が多かった