Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
の窓から証人達が澄子を殺した房枝を見たと云っても、それはチラッと見ただけで、その顔が確かに房枝のものであったかどうかは誰もハッキリ云い得ず、ただ黒い無地の着物を着ていたことだけが一致した証言だったのだから、これは房枝などが澄子を殺しに出掛けたのではむろんなく、君子が、母の房枝の着物を着て澄子を殺し、あとから桃色の寝巻に着換えた、と見てはどうか?
しかしこの意見は、直ぐに破れてしまった。現場の窓から、殺人の直後にふらふらと房枝らしいその姿が消えてから、「青蘭」の連中が表へかけつけ、そこで寝衣を着た君子にぶつかるまでに、殆んど三分位いしか時間がない。その間に君子が着ていた母の着物を脱いで、それを再び母の死骸へ着せるなぞと云うことは到底出来っこない。
では、母の着ていた着物ではなしに、他の同じような黒っぽい、三、四間離れたら無地に見えそうな地味な着物を着て、芝居を打ったとしたならどうなる? これは出来そうなことだ。そこで警官達は、煙草屋の徹底的な家宅捜査を行った。ところが、そのような着物は、わずかに箪笥の抽斗から房枝のものが二、三枚出て来ただけであったが、しかしそれは皆、虫除け薬を施してキチンと文庫紙の中に畳みこんであって、とうてい三分や四分の早業でそうと出来るものではない事が判った……いや、それでなくたって