Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
「すると君は、あの時、ホラそこにいる女給さん達が見た、あの無地の着物を着て、剃刀を持って、ガラス窓によろけかかった女を、房枝ではなく澄子だと云うんだね?……飛んでもない、それこそ感違いだよ。いいかい。まず第一、着物のことを考えて見たまえ。房枝はあの通り地味な着物を着ていたし、澄子は、あの通り派手な着物を着ていたし……」
「お待ち下さい」支配人が遮切った。「つまり、そこんとこですよ。幽霊が出たと云うのはね……もう仕度が出来たと思いますから、これからひとつ、その幽霊の正体をみて頂こうと思いますが……」とむっくり起き上りながら、「……まだお判りになりませんか? 銀座の真ン中に出た幽霊の正体が……これはしかし、あの事件の起きた時の様子や、家の構えなどを、よく考えて見れば、誰にでも判ると思うんですが……」
支配人はそう云って、意地悪そうに笑うと、呆気にとられている警部達を残して、階下へ降りて行った。が、直ぐに自転車用の大きなナショナル・ランプを持って引返して来ると、窓際に立って警部へ云った。
「じゃア幽霊をお眼に掛けますから、どうぞここへお立ち願います」
警部は脹れ面をして、支配人の云う通り窓際へ立った。