Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
まだ日本の捕鯨船にノルウェー人の砲手達が雇われていた頃から、その人達によって云い伝えられた伝説だった。
「仔鯨を撃つ捕鯨船には、必らず祟りがある」
宗教に凝った異邦人達は、そう云って仔鯨撃ちを恐れ拒んだ。もっともそれでなくても、鯨類の保護のために、仔鯨を撃つことは法律を以って固く禁ぜられていた。親鯨でさえもその濫獲を防ぐためには、政府は捕鯨船の建造を、全国で三十艘以内に制限しているのだった。しかし、捕鯨能率を高めるために、監視船の眼のとどかぬ沖合で、秘かに仔鯨撃ちも犯す捕鯨船は、時折りあるらしかった。
根室の岩倉会社には、二艘の持船が許されていた。北海丸と釧路丸がそれだった。そして海霧の霽れた夕方など、択捉島の沖あたりで、夥しい海豚の群に啄まれながら浮流されて行く仔鯨の屍体を、うっかり発見けたりする千島帰りの漁船があった。丸辰流に言えば、その鯨の祟りを受けて、北海丸は沈没した。そしてもう、一年の月日が流れてしまった。岩倉会社は、損害にもひるまず、直ぐに新らしい第二の北海丸を建造して、張り切った活躍を続けているのだった。
丸辰の親爺は、酒に酔っぱらった砲手の未亡人が、客を相手に愚痴話をはじめだすと、きまって鯨の祟り――を持出す。