Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

炭柱を抜くと、両壁にゆるみのある場合なぞ地圧で天盤が沈下する。沈下は必らず徐々に間歇的に行われるが、坑木がむっちり挫折し始め、天盤に割れ目の生ずる際に、その異様な鳴動が聞えるのであった。謂わば崩落の前兆であるその物音を、炭坑の人びとは山鳴りと呼んで恐れていた。

この場合の物音が正しくそれであった。発火坑内の坑木が焼け落ちてしまい、発火と同時に俄に膨脹した坑内の気圧が、やがて徐々に収って行くにつれて、両壁がゆるみ、少しずつ天盤の沈下がはじまったのに違いない。

係長は、蒼くなって安全燈を天井へさし向けた。けれどもそこには、一層恐ろしいものが待ち構えていた。

頭の上に押し迫った天盤には、鰐のような黒い大きな亀裂が、いつ頃から出来たのか二つも三つも裂けあがって、しかもその内側まで焼け爛れた裂目の中からは、水滴が、ホタリホタリと落ちていた。水が廻ったのだ。係長はその水滴に気がつくと、直ぐに手を出して滴を一つ掌に受け、そいつを不安げに己れの口へ持って行った。が、瞬間ギクッとなって飛び上った。

考えて見れば、天盤も崩落も、火災も地下水も、炭坑にとってはつきものである。