Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
「どうもあなたは、まだ誤った先入主にとらわれていますね」
菊池技師は苦笑すると、両手を握り合して苛立たしそうに歩き廻りながら云った。
「私がいままで考え進めて来た範囲では、まだ犯人が誰であるかと云う点には、少しも触れていなかった筈ですよ。ところで、ここでもう一つほかの事実を調べて見ましょう。それはこの殺人に就いてなんですが、三つの殺人には、考えて見るとそれぞれバラバラに殺害されているようで、その実面白い幾つかの連絡がみられます。まず兇器ですが、三人が三人とも炭塊で叩き殺されております。炭塊で殺されていると云うことは、なんでもないことのようですが事実は決してそうでない。係長。あなたは統計に現われた坑夫仲間の殺傷事件について、兇器は何が一番多いかご存じでしょう。鉄槌に鶴嘴ですよ。全くこれくらい坑夫にとって、手近で屈強な武器はありませんからね。しかも坑夫たちは安全燈と同じように、大事な仕事道具として必らず一つずつは持っております。ところがこの事件で犯人は、珍らしくもそれぞれの被害者へ対して凡て炭塊を使っております。この事実を、事件全体のなんとなく陰険な遣口なぞと考え合せて、炭塊以外に手頃な兇器の手に入らない人、つまり坑夫でない人の咄嗟にしでかして行った犯行でないか、とまあ考えたわけなんです。