Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
は、機関車の下ッ腹はメチャメチャに赤黒いミソを吹き着けられて、夥しい血の匂いを、発散するんです。そして又そんな時には、きまって被害者の衣服はそれが男の洋服であろうと女のキモノであろうと着ぐるみすっかり剥ぎ千切られて、機関車の下ッ腹の何処かへ引ッ掛ってしまうんです。こんな場合の車の掃除が、所謂「ミソになる轢死者」でして、機関庫の人々をクサらせるんです。
ところで、いま、転車台でクルリと一廻りして扇形機関庫へ連れ込まれたD50・444号ですが、一寸調べて見ると、何処でいつの間に轢潰して来たのか、こいつがその「ミソ」の部類に属する奴なんです。
杉本は顔を顰めてタオルに安香水を振り蒔き、そいつをマスクにして頭の後でキリッと結ぶとゴムの水管の先端を持って、恰度機関車の真下の軌間にパックリ口を開いている深さ三尺余りの細長い灰坑の中へ這入って行きました――。
ところが、ここで奇妙な事が発見されたんです。と言うのは、こんな場合いつでもする様に、杉本は機関車の下ッ腹へ水を引ッ掛けながら、さて何処やらに若い娘のキモノでも絡まり込んでいないかなと注意して見たんです。が、轢死者の衣類と思われる様なものは、襦袢の袖ひとつすらも発見からなかったんです。