Japanische Klassiker mit Furigana
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どこかにいきながら
どこかに生きながら
小川 未明
Lesen Sie どこかに生きながら (どこかにいきながら) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.469 Zeichen · 9 Bildschirme
母親は、これも見ていました。そして、このとき、子ねこの行く先を見ぬいたのであろうか、「ニャオ。」と、悲しそうに、一声高くなきました。そして、その声を残して、どこへとなくいってしまいました。それぎり、母ねこの姿を、このあたりで、見なかったのであります。
「お母さん、この子ねこを飼ってちょうだい。」と、姉妹が、いいはったため、ついにその願いが、かなえられたのでした。
その後、子ねこは、雨にさらされることもなく、また飢えのために、眠れぬということもなかったのでした。
「おまえのお母さんは、どこへいったでしょう。おまえは、みんなから、かわいがられてしあわせなんだよ。きっと、どこかに、おまえのお母さんは、いるでしょうに?」
こう、少女は、子ねこに向かって、いうのでした。たとえ、こうして、向かい合っていても、そこには、人間と動物のへだたりがありました。考え方にも、ちがいがあるとみえて、畢竟なにをいっても通じなかったのが、少女には、悲しかったのです。
いよいよ冬が去るのか、あらしの吹き荒んだ夜のことでした。風は、空から、屋根の上を吹きまくり、窓の戸へつき当たりました。