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Japanische Klassiker mit Furigana

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どんづまり

どんづまり

宮本 百合子

Lesen Sie どんづまり von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.086 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

「又出なおしといで!」

とがなられた事等が悪い夢の様に頭に湧きあがって来た。間借りをして居る婆にもかりがあり酒屋朋輩等へのかえさなければならないはずのものは一寸男が今胸算よう出来ないほど少ない様な面をして居ていつのまにかかさんで居た。

「けっとばして逃げればいいじゃねえか」

反向的な声で男はうなった。愚な只今までの誤り――名づけて経験と云うものでどうやら人殺しもせず泥棒もしないで生活して居ることが出来るほど大まかな頭で逃げてからあとの事を考えた。

「自分の過去の歴史なんかは一寸もしらないものの中で根かぎり働く人にうまくとり入る。

朝日ののぼる様にグングンと出世して百や千の金は右から左に廻せる様になる――」

こんな風に男は歩みののろくなったのも気づかずに考えつづけた。どんなに出世しどんなに立派になって金がたまってもそのどんづまりにはまっくろい着物を着て鎌の大きいのをもって人類の片っぱじからなぎたおして「生」とあらそって居る骸骨の死の使者がガタガタと笑って居た。

単純な頭で死と云う事を最も深く恐れて居る男はびっくりしてひっかえした。

「何出世の出来ねえのは御やたちが生み様が悪れえんだ。