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Japanische Klassiker mit Furigana

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ながうたかんじんちょう

ながうた勧進帳

酒井 嘉七

Lesen Sie ながうた勧進帳 (ながうたかんじんちょう) von 酒井 嘉七 (さかいかしち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.698 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

と、光子さんの唄われた文句を、そのまま、口の中で繰返したのでございました。

二

二階から降りて来られた光子さんは、すっかり汗をかいていられましたが、私に軽く会釈されると、

「有難うございました」

と、小母さんの方をむいて、畳に手をつかれました。

「師匠は気嫌が悪いでしょう。頭痛がすると朝から云っておりますが、物を云っても返事もしないほどでございますよ」

小母さんは、小さな声で、こう云われまして、子供のするような科で、少し肩をすくめられました。光子さんは、

「ええ」

と、微笑されて、私と健さんとの前に坐られました。そして、

「いらっしゃいませ」

と、挨拶をなさいました。小母さんは、火鉢の上で、快い音をたてて、沸っている鉄瓶のお湯を湯呑に入れて、二階へもって行かれました。丁度、その時菓子屋の幸吉さんが、這入って来られたのでございます。

この方は、高松屋という、町では相当に老舗た、お菓子屋の息子さんでございまして、親の跡をつぐために、お店で働いていられたのでございます。見ると、手には、お店の印の入った風呂敷包みを持っていられます。

「光子さんも広子さんも、お揃いでございますね」