Japanische Klassiker mit Furigana
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なよたけ
なよたけ
加藤 道夫
Lesen Sie なよたけ von 加藤 道夫 (かとうみちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.415 Zeichen · 163 Bildschirme
文麻呂 万葉集ですか?
綾麻呂 うむ。……あれはいい本だな。あれはお父さんも感心した。どの歌もどの歌もみんな偽りのない魂がこもっている。歌よみ根性がないから、読む者の心を打つのだ。心の底から詠いきっているから、こっちの心の底にもひびいて来るのだ。歌を作るならああでなくてはお父さんはいけないと思う。……文麻呂! あの中でな、お父さんの大好きな歌がひとつあるのだ。……
文麻呂 何て云う歌です。
綾麻呂 (遠く不尽を望みながら、朗々と朗誦し始める)……
天地の 分れし時ゆ 神さびて
高く貴き 駿河なる 布士の高嶺を
天の原 ふり放け見れば 渡る日の
影も隠ろい 照る月の 光も見えず
白雲も い行き憚り 時じくぞ
雪は降りける 語り継ぎ 言い継ぎ行かむ
不尽の高嶺は……
文麻呂 (不尽を仰ぎながら)あの時代には国中の人達が美しい調和の中に生きていたのですね。……お父さん! 僕はしあわせです。(うっとりとして)万葉を生んだ国土。うつくしい国土。僕はこの国に生れたことを心の底からしあわせに思っています。
右手、遠くの方から、瓜生ノ衛門夫婦の唄う「瓜作りの歌」が聞えて来る。
笹山の 山坂越えて