Japanische Klassiker mit Furigana
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ひなゆうはん
ひな勇はん
宮本 百合子
Lesen Sie ひな勇はん (ひなゆうはん) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.468 Zeichen · 25 Bildschirme
「おたえちゃんだ?」何と云う事はなしにフッと思った。そして白い足袋につつまれた足がせまい階子を下りて来る、あやぶげな様を思って「若しおっこったら!」こんな下らない心配におそわれて居た。ぽっくりの音をすぐそばでさせて、
「ようまってて御呉れやはった、わてキッともう御帰りやはったろうって云っとったやに――」
お妙ちゃんはこんな事を云いながら石っころの多いところを高い下駄に長い着物を着て居ながら器用に歩いて居た。「今夜のよな時、いつまでもいつまでもおきて話して見たい様だ事」一人ごとともつかずにこんな事を云ったけれども御妙ちゃんは何とも云わないで白い足と手とかおだけ闇の中にホンノリとうき出さしてうつむき勝にあるいて居た。私は自分の家を通り越して御妙ちゃんを送りこんでから家にかえった――。こんな様なまるで恋中の様な日は毎日毎日つづいた。そして千羽鶴をおって糸を通す針で小指をついたんで母はんに紅絹でつつんでもらったら友達が私に小指をきったんだろうって云われたなんかって云う事があった。一日一日と立つごとに私とお妙ちゃん雛勇はんとは段々仲がよくなるばっかりであった。