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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひょっとこ

ひょっとこ

芥川 竜之介

Lesen Sie ひょっとこ von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.838 Zeichen · 12 Bildschirme

Aozora Bunko

踊は勿論、出たらめである。ただ、いい加減に、お神楽堂の上の莫迦のような身ぶりだとか、手つきだとかを、繰返しているのにすぎない。それも酒で体が利かないと見えて、時々はただ、中心を失って舷から落ちるのを防ぐために、手足を動かしているとしか、思われない事がある。

それがまた、一層可笑しいので、橋の上では、わいわい云って、騒いでいる。そうして、皆、哂いながら、さまざまな批評を交換している。「どうだい、あの腰つきは」「いい気なもんだぜ、どこの馬の骨だろう」「おかしいねえ、あらよろけたよ」「一そ素面で踊りゃいいのにさ」――ざっとこんな調子である。

その内に、酔が利いて来たのか、ひょっとこの足取がだんだん怪しくなって来た。丁度、不規則な Metronome のように、お花見の手拭で頬かぶりをした頭が、何度も船の外へのめりそうになるのである。船頭も心配だと見えて、二度ばかり後から何か声をかけたが、それさえまるで耳にははいらなかったらしい。

すると、今し方通った川蒸汽の横波が、斜に川面をすべって来て、大きく伝馬の底を揺り上げた。その拍子にひょっとこの小柄な体は、どんとそのあおりを食ったように、ひょろひょろ前の方へ三足ばかりよろけて行ったが、それがやっと踏止ったと思うと、今度はいきなり廻転を止められた独楽のように、ぐるりと