Japanische Klassiker mit Furigana
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ひょっとこ
ひょっとこ
Lesen Sie ひょっとこ von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.838 Zeichen · 12 Bildschirme
などと勝手な事を云ってすましている。
× × ×
しかし平吉が酒をのむのは、当人の云うように生理的に必要があるばかりではない。心理的にも、飲まずにはいられないのである。何故かと云うと、酒さえのめば気が大きくなって、何となく誰の前でも遠慮が入らないような心持ちになる。踊りたければ踊る。眠たければ眠る。誰もそれを咎める者はない。平吉には、何よりも之が難有いのである。何故これが難有いか。それは自分にもわからない。
平吉はただ酔うと、自分がまったく、別人になると云う事を知っている。勿論、馬鹿踊を踊ったあとで、しらふになってから、「昨夜は御盛んでしたな」と云われると、すっかりてれてしまって、「どうも酔ぱらうとだらしはありませんでね。何をどうしたんだか、今朝になってみると、まるで夢のような始末で」と月並な嘘を云っているが、実は踊ったのも、眠てしまったのも、いまだにちゃんと覚えている。そうして、その記憶に残っている自分と今日の自分と比較すると、どうしても同じ人間だとは思われない。それなら、どっちの平吉がほんとうの平吉かと云うと、これも彼には、判然とわからない。