Japanische Klassiker mit Furigana
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ほととぎす
ほととぎす
堀 辰雄
Lesen Sie ほととぎす von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.252 Zeichen · 60 Bildschirme
頭の君はこんどは、前とは打って変って、重々しい態度をして入らしったが、二人ぎりになったとき私に向って言い出された事は、しかしいつもと少しも変らない怨み言だった。あんまりその事ばかり繰り返して仰ゃるものだから、反ってしまいにはその仰ゃっている事に最初ほどの熱意がないようにさえ――そして只それでもって私を苦しめなさるためにのみ、それを私に向って繰り返してばかり入らっしゃるようにも――私には思えたのだった。
「まあ、何んと思し召して、その事ばかり仰ゃるのでしょうね」と私はもうそれを打切らせようとして、「何度も申しましたように、まだほんの子供で、どうやらまあその八月頃にでもなったら、初事もあろうかと心待ちにされている位なのですから――」と、そんな事までずばりと言った。
そう私に言われると、さすがに頭の君も二の句を継げなそうにしていられたが、
「でも、いくらお小さくとも、物語ぐらいはし合うものだと聞いておりますが――」と暫くして言い出された。
「姫はまだそんな事も出来そうもないほど、幼びているのです。誰にでも人見知りをしてしようがない位なのですからね。」
私は簾ごしに、だんだん稍げたようになって私の言葉を聞いていらっしゃる頭の君を見透しながら、更らにすげなく言い続けていた。