Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

まかないのぼう

まかないの棒

黒島 伝治

Lesen Sie まかないの棒 (まかないのぼう) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.538 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

「醤油屋へ行かずにどうするんどい? 遊びよったら食えんのじゃぞ!」

京一は、ついに、まかないの棒のことを云い出して、涙声になってしまった。むつかしい顔をして聞いていた父は、

「阿呆が、うかうかしよるせに、他人になぶり者にせられるんじゃ。――そんなまかないの棒やかいが、この世界にあるもんかい!」

あくる朝、父は山仕事に出る前に、

「今日は、もう仕事に行け!」

といかつく京一に云いつけた。

「いや、己らは山へ行く。」

「阿呆めが! 山へ行たってどればも銭は取れんのに、仕様があるかい。醤油屋へ行け!」

それでも、醤油屋へ行きたくなくなって、彼は、十時頃まで日向ぼっこをしていた。

「われが一人でよう行かんのなら、おばあがつれて行てやろうか。――行かなんだら、お父うが戻ってまた怒るぞ。」

祖母はすやすや寝ている小さい弟を起して、古い負いこに包んで背負うと、彼を醸造場へつれて行った。年が寄って寒むがりになった祖母は、水鼻を垂らして歩きながら、背の小さい弟をゆすり上げてすかした。

醸造場へ行くと、彼女は、孫の仁助に、京一をそう痛めずに使うてやってくれと頼んだ。

京一は、きまり悪るそうに片隅に小さく立っていた。