Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みさごのすし

みさごの鮨

泉 鏡花

Lesen Sie みさごの鮨 (みさごのすし) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.198 Zeichen · 47 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「でも、旦那さん、……義理も、人情も知らない女だ、薄情だと、言われようかと、そればかりが苦になりました。もう人が何と言いましょうと、旦那さんのお言ばかりで、どんなに、あの人から責められましても私はきっぱりと、心中なんか厭だと言います。お庇さまで助りました。またこれで親兄弟のいとしい顔も見られます。もう、この一年ばかりこのかたと言いますもの、朝に晩に泣いてばかり、生きた瀬はなかったのです。――その苦みも抜けました。貴方は神様です。仏様です。」

「いや、これが神様や仏様だと、赤蜻蛉の形をしているのだ。」

「おほほ。」

「ああ、ほんとに笑ったな――もう可し、決して死ぬんじゃないよ。」

「たとい間違っておりましても、貴方のお言ばかりで活きます。女の道に欠けたと言われ、薄情だ、売女だと言う人がありましても、……口に出しては言いませんけれど、心では、貴方のお言葉ゆえと、安心をいたします。」

「あえて構わない。この俺が、私と言うものが、死ぬなと言ったから死なないと、構わず言え。――言ったって決して構わん。」

「いいえ、勿体ない、お名ふだもおねだり申して頂きました。人には言いはしませんが、まあ、嬉しい。