Japanische Klassiker mit Furigana
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みさごのすし
みさごの鮨
泉 鏡花
Lesen Sie みさごの鮨 (みさごのすし) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.198 Zeichen · 47 Bildschirme
「それも死神の風呂敷だったよ。」
「可恐いわ、旦那さん。」
その水さしが、さて……いまやっぱり、手水鉢の端に据っているのが幽に見える。夕暮の鷺が長い嘴で留ったようで、何となく、水の音も、ひたひたとするようだったが、この時、木菟のようになって、とっぷりと暮れて真暗だった。
「どうした、どうした。……おお、泣いているのか。――私は……」
「ああれ、旦那さん。」
と、厠の板戸を、内から細目に、小春の姿が消えそうに、
「私、つい、つい、うっかりして、あのお恥かしくって泣くんですわ……ここには水がありません。」
「そうか。」
と教授が我が手で、その戸を開けてやりつつ、
「こっちへお出で、かけてやろう。さ。」
「は。」
「可いか、十分に……」
「あれ、どうしましょう、勿体ない、私は罰が当ります。」
懐紙に二階の影が散る。……高い廊下をちらちらと燭台の火が、その高楼の欄干を流れた。
「罰の当ったはこの方だ。――しかし、婦人の手に水をかけたのは生れてからはじめてだ。赤ん坊になったから、見ておくれ。お庇で白髪が皆消えて、真黒になったろう。」
まことに髪が黒かった。教授の顔の明るさ。
「この手水鉢は、実盛の首洗の池も同じだね。