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Japanische Klassiker mit Furigana

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みさごのすし

みさごの鮨

泉 鏡花

Lesen Sie みさごの鮨 (みさごのすし) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.198 Zeichen · 47 Bildschirme

Aozora Bunko

が、十夜をあての夜興行の小芝居もどりにまた冴える。女房、娘、若衆たち、とある横町の土塀の小路から、ぞろぞろと湧いて出た。が、陸軍病院の慰安のための見物がえりの、四五十人の一行が、白い装でよぎったが、霜の使者が通るようで、宵過ぎのうそ寒さの再び春に返ったのも、更に寂然としたのであった。

月夜鴉が低く飛んで、水を潜るように、柳から柳へ流れた。

「うざくらし、厭な――お兄さん……」

芝居がえりの過ぎたあと、土塀際の引込んだ軒下に、潜戸を細目に背にした門口に、月に青い袖、帯黒く、客を呼ぶのか、招くのか、人待顔に袖を合せて、肩つき寒く佇んだ、影のような婦がある。と、裏の小路からふらりと出て、横合からむずと寄って肩を抱いた。その押つぶしたような帽子の中の男の顔を、熟とすかして――そう言った。

「お門が違うやろね、早う小春さんのとこへ行く事や。」と、格子の方へくるりと背く。

紙屋は黙って、ふいと離れて、すぐ軒ならびの隣家の柱へ、腕で目をおさえるように、帽子ぐるみ附着いた。

何の真似やら、おなじような、あたまから羽織を引かぶった若い衆が、溝を伝うて、二人、三人、胡乱々々する。