Japanische Klassiker mit Furigana
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みちのき
みちの記
Lesen Sie みちの記 (みちのき) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.251 Zeichen · 15 Bildschirme
人の浴するさまは外より見ゆ。うるさきは男女皆湯壺の周囲に臥して、手拭を身に纏い、湯を汲みてその上に灌ぐことなり。湯に入らんとするには、頸を超え、足を踏みて進まざれば、終日側に立ちて待てども道開かぬことあり。男女の別は、男は多く仰ぎふし、女は多くうつふしになりたるなり。旅店の背なる山に登りて見るに、処々に清泉あり、水清冽なり。半腹に鳳山亭と※(「匸<扁」、第4水準2-3-48)したる四阿屋の簷傾きたるあり、長野辺まで望見るべし。遠山の頂には雪を戴きたるもあり。このめぐりの野は年毎に一たび焚きて、木の繁るを防ぎ、家畜飼う料に草を作る処なれば、女郎花、桔梗、石竹などさき乱れたり。折りてかえりて筒にさしぬ。午後泉に入りて蟹など捕えて遊ぶ。崖を下りて渓川の流に近づかんとしたれど、路あまりに嶮しければ止みぬ。渓川の向いは炭焼く人の往来する山なりという。いま流を渡りて来たる人に問うに、水浅しといえり。この日野山ゆくおりに被らばやとおもいて菅笠買いぬ。都にてのように名の立たん憂はあらじ。
二十日になりぬ。ここに足を駐めんときょうおもい定めつ、爽旦かねてききしいわなという魚売に来たるを買う、五尾十五銭。