Japanische Klassiker mit Furigana
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みちのき
みちの記
Lesen Sie みちの記 (みちのき) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.251 Zeichen · 15 Bildschirme
水の触るる所、砂石皆赤く、苔などは少しも生ぜず。牛の牢という名は、めぐりの石壁削りたるようにて、昇降いと難ければなり。ここに来るには、横に道を取りて、杉林を穿ち、迂廻して下ることなり。これより鳳山亭の登りみち、泉ある処に近き荼毘所の迹を見る。石を二行に積みて、其間の土を掘りて竈とし、その上に桁の如く薪を架し、これを棺を載するところとす。棺は桶を用いず、大抵箱形なり。さて棺のまわりに糠粃を盛りたる俵六つ或は八つを竪に立掛け、火を焚付く。俵の数は屍の大小により殊なるなり。初薪のみにて焚きしときは、むら焼けになることありて、火箸などにてかきまぜたりしが、糠粃を用いそめてより、屍の燃ゆるにつれて、こぼれこみて掩えば、さる憂なしといえり。山田にては土葬するもの少く、多くは荼毘するゆえ、今も死人あれば此竈を使うなり。村はずれの薬師堂の前にて、いわなの大なるを買いて宿の婢に笑わる。いわなは小なるを貴び、且ところの流にて取りたるをよしとするものなるに、わが買いもてかえりしは、草津のいわなの大なるなれば、味定めて悪からんという。嘗みるに果して然り。ここより薬師堂の方を、六里ばかり越ゆけば草津に至るべし、是れ間道なり。