Japanische Klassiker mit Furigana
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めおとよろい
めおと鎧
山本 周五郎
Lesen Sie めおと鎧 (めおとよろい) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.130 Zeichen · 24 Bildschirme
――命が惜しいのではない、いや命は惜しい、だが卑怯で惜しいのではない、こんなことで死にたくないだけだ。やがて大阪と関東とのあいだに合戦がある、必ずある、おれは武士としてその合戦に会わずに死ぬことはできない、その時までは生きるんだ、そして御馬前にむくろを捧げるんだ。走りながら、かれは自分を説きふせるようにそれを繰り返していた。
三日めに孫兵衛は、琵琶湖の西岸を北へむかってあるいていた。近江のくに朽木には、朽木元綱の居城がある。その家に、和泉兵庫介という知りびとがあった。伏見を出てから五日めのたそがれ、ちょうど降りだした雪のなかを、孫兵衛は朽木の町へはいっていった。兵庫介は主用で京へいったあとだったが、家族の者はこころよく迎えてくれた。
弥五郎が追いついて来たのは、そのつい翌々日のことであった。和泉と香田とが知己のあいだがらだということは、縁者としてよりもおなじ家中として、弥五郎が知っているのは当然である。
「大阪から、人がおみえでございます」和泉の家人がそう告げに来たとき、孫兵衛は昼の食事をしまったところだった。「いま出ます」そう答えて、家人が去るより早く、かれは大剣をひっ掴んで家の裏へとびだした。