Japanische Klassiker mit Furigana
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もくねじ
もくねじ
海野 十三
Lesen Sie もくねじ von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.546 Zeichen · 16 Bildschirme
ぼくは愕いた。はっとして目を瞠ると、知らない若い男の指に摘みあげられていた。
その若い男は、もう一人の男と、しきりにあまりよくないところの話に夢中になっていた。
「よせよ、大きなこえを出すない。木田さんに聞かれたら、怒られるよ」
「大丈夫だい。木田さんは呼ばれて主任のところへ行っちまった。おい、どうする。行くか、行かないか」
「おれはいやだよ」
「ばか。いくじなし」
そういいながら、その若い男は、ぼくを穴の中へ挿し込んだ。私はこの意外な出来事に、夢かとばかり愕き、そして胸を躍らせた。木田さんが向うへいった留守に、何にもしらないこの若い男が、ぼくをよく調べもしないで、装置の穴の中に挿し込んでしまったのである。やがてぼくの頭に、ドライバーが当てられた、ぐっと圧されて、きりきりと右へ廻された。ドライバーは、何遍かつるりと滑った。そのたびにやり直しだ。
だがその若い男は、話に夢中になっていたので、文句も云わず何遍でもやり直して、とうとうぼくを穴の中に圧し込んでしまったのである。
ぼくは暫く呆然となっていた。
喜んでいいのか、それとも悲しんでいいのか。
自分のあさましい身の上が分ると、ぼくはもう初めに考えていたように、大きなりっぱな機械に抱かれることをすっかり断念しなければならなかった。