Japanische Klassiker mit Furigana
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ろまんどうろう
ろまん灯籠
Lesen Sie ろまん灯籠 (ろまんどうろう) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.222 Zeichen · 74 Bildschirme
次男の風邪も、なおっていた。昼すこし過ぎに、長兄は書斎から意気揚々と出て来て、
「さあ、完成したぞ。完成したぞ。」と弟妹たちに報告して歩いて、皆を客間に集合させた。祖父も、にやにや笑いながら、やって来た。やがて祖母も、末弟に無理矢理、ひっぱられてやって来た。母と、さとは客間に火鉢を用意するやら、お茶、お菓子、昼食がわりのサンドイッチ、祖父のウイスキイなど運ぶのにいそがしい。まず末弟から、読みはじめた。祖母は、膝をすすめ、文章の切れめ切れめに、なるほどなるほどという賛成の言葉をさしはさむので、末弟は読みながら恥ずかしかった。祖父は、どさくさまぎれに、ウイスキイの瓶を自分の傍に引き寄せて、栓を抜き、勝手にひとりで飲みはじめている。長兄が小声で、おじいさん、量が過ぎやしませんかと注意を与えたら、祖父は、もっと小さい声で、ロオマンスは酔うて聞くのが通なものじゃ、と答えた。末弟、長女、次男、次女、おのおの工夫に富んだ朗読法でもって読み終り、最後に長兄は、憂国の熱弁のような悲痛な口調で読み上げた。次男は、噴き出したいのを怺えていたが、ついに怺えかねて、廊下へ逃げ出した。