Japanische Klassiker mit Furigana
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わがつまのき
わが妻の記
伊丹 万作
Lesen Sie わが妻の記 (わがつまのき) von 伊丹 万作 (いたみまんさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.719 Zeichen · 8 Bildschirme
ただあまり丁寧な仕事をするため、時間がおびただしくかかり肩がこるらしい。
掃除と整理。これはもう極端に偏執的である。たとえば自分の好きな所はピカピカ光るほど磨き上げるが、興味のない所は何年もほこりが積み放しになつている。家の中のある部分は神経病的に整然と物が並び、だれかが彼女のるすにホンの一ミリほど品物を動かしてもすぐに気づいてしまう。そのかわり、いつも手のつけようもないほどむちやくちやにものが突つ込んである所が家の中に一、二カ所は必ずある。
妻のもののしまい方は普通の世間並とは大分違う。普通の人なら大概たんすにしまう品が食器棚にはいつていたり、流しの棚にあるはずのものが冷蔵庫にしまつてあつたりする。だから彼女の不在中にものを探しあてることはほとんど絶望である。探す以上は一応我々の常識と因襲を全部脱ぎ棄てて、白紙にかえつて探さねばならぬが、そんなことは容易にできることではない。次に、彼女の物の置き方、並べ方はことごとく彼女の抱いている美の法則によつて支配されているので、実用上の便宜というものは一切無視される。どんな不便を忍んでも彼女は自分の美を守り通そうとする。