Japanische Klassiker mit Furigana
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わがまち
わが町
織田 作之助
Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme
あいつはお前、夕刊配達しとった時から、身体を責めて来よった奴ちゃし、わいがよう言い聴かせといたったさかいな」
他吉はなんとも言えぬ上機嫌な顔になったが、しかし、それならそれで、次郎ぼんの奴なぜ路地へ挨拶に来ん、君枝だけにこっそり会うのはけしからんとすぐ眼を三角にして、
「――それにしても、君枝、若い男と女がべたべたボートに一緒に乗って良えちゅう訳はないぜ。だいいち、ボートがひっくりかえったらどないすんねん?」
「それは大丈夫や。次郎さんは潜水夫さかい、ひっくり返ったかて……。潜水夫の眼エから見たら、中之島の川みたいなもん、路地の溝みたいなもんや言うてはった。大浜の海水浴は池みたいなもんやて……」
「いちいち年寄りに逆らうもんやあれへん。次郎ぼんであろうが、太郎ぼんであろうが、若い娘が男とちゃらちゃら会うたりするもんと違う。だいいち、次郎ぼんの仕事に差しつかえる。ええか。こんどめから会うたらあきまへんぜ」
蚊帳の中へはいってからも、他吉の小言は続いた。
君枝は首垂れて他吉の方に団扇で風を送っていたが、ふと顔をあげると、耳の附根まで赧くなり、
「あのな、次郎さんな、今日、うちと……」