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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがまち

わが町

織田 作之助

Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme

Aozora Bunko

当然気を腐らして、酒を飲むようになったのだという。

「――何よりも他あやんがあんたを連れ戻したことを、だいぶ根に持ってはるらしかった。うちの主人(おっさん)も言うてたが、やっぱり男は女房に去られるほど、淋しいもんは、ないらしい。ここを、君ちゃん、よう噛み分けて考えなああきまへんぜ」

「そんなら、潜る気はちょっともおまへんねんな」

君枝はすっかり当てが外れた想いで、蒼い溜息をついた。

「そういう気は持ったはれへんやろな。わての考えでは、あんたがこっちへ帰ったはる限り、意地からでも潜りはれへんと思うな」

蝶子は苦労人らしく、しみじみした口調で言った。

「――まあこのまま放って置いたら、ますます道楽しやはる一方や。やっぱり、あんたが帰ってあげんと……」

日が暮れて、蝶子は粉雪をかぶりながら帰って行った。

君枝は帯の間に手を差し入れて、暫らく考えこんでいたが、やがて路地を出て行くと、足は市電の停留所へ向いた。

電車が大正橋を過ぎる頃、しとしと牡丹雪になった。

境川で乗り換えて、市岡四丁目で降りた。そこから三丁の道はもう薄白かった。傘を持って出なかったので、眉毛まで濡れたが、心は次郎なつかしさに熱く燃えていた。