Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
わがまち
わが町
織田 作之助
Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme
ある日、仏壇を積んで、南河内の萩原天神まで行った。
堺の三国を過ぎると、二里の登り道で、朝九時に大阪を出たのに、昼の一時を過ぎても、まだ中百舌鳥(なかもず)であった。
里子にやられていた幼い頃のことを想いだしながら、木蔭で弁当をひらいていると、雨がぱらぱらと来て、急に土砂降りになった。
合羽を仏壇にかぶせ、自身は濡れ鼠になりながらペタルを踏み、やっと目的地について、仏壇を届けて帰る道もなお降っていたが、それでもへこたれようとしなかったのは、子供の頃からさまざまな苦労に堪えて来た故であろうか。
大阪に帰ると、日が暮れた。男なら一服というところを、その足で千日前の自安寺へお詣りした。
水掛け地蔵の身体をたわしで洗っていると、
「お君ちゃん」
声を掛けられた。
もとの朝日軒のおたかが、定枝、久枝、持子の三人の娘を連れて来ていたのだった。
持子は赤ん坊を抱いていた。
「あら、赤子(やあさん)出来はりましたの?」
君枝が言うと、おたかは相好くずして、
「見たっとくなはれ」
いかにも嬉しそうだった。
「――この子が出来てから言うもんは、あんた、娘どもが皆この子を奪いあいして、そら賑やかなことですわ」