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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがまち

わが町

織田 作之助

Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme

Aozora Bunko

「まあ洋食焼きみたいなもん……」

「そうだっせ、ほんまに情けない。主人(うっとこ)ももうあんた、そろそろ五十や言うのに、いまだにあんな子供みたいなもん食べたがりまんねん。みっともないこっちゃ」

蝶子はそんな風に言ったが、ふと想いだしたように、

「――この辺にどこぞ夜店出まへんか」

「さあ……? 今日は何の日でしたかな」

「えーと……」

考えていたが、いきなり膝をたたいて、

「――そうそう、今日はお午の日や。お午の夜店や。帰りに洋食焼き買うて帰らんと、また、小言いわれる」

ぶくぶく肥満して、屈託の無さそうな蝶子を見ていると、君枝は瞬間慰められて、他吉の死を忘れたが、ふと、遠くの汽笛を聴くと、涙がこみあげて来た。

「勝手なことばっかり喋って……」

君枝の涙を見て、蝶子はさすがにいい気なことを言い過ぎたことに気がついた。

「そろそろおいとまさせてもらいまひょ」

立ち上り、階段を降りながら、しかし、蝶子はまた言った。

「――あとで、主人(うっとこ)がお邪魔するかも判れしまへんさかい、なんぞ帳面づけの用事でもあったら、さしとくなはれ。字を書くことでしたら、間に合いまっさかい」