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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがまち

わが町

織田 作之助

Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme

Aozora Bunko

「――それとも、よっぽど冷やし飴が売りたけりゃ、マニラへ行きなはれ」

「なんぜまた、マニラへ……?」

黙っている新太郎に代って、初枝がおどろいて訊くと、

「マニラは年中夏やさかい、モンゴ屋商売して、金時(氷)や冷やし飴売ってても、結構商売になる。大阪にいてては、お前、寒なったら、冷やし飴が売れるか」

「冬は甘酒売ったら、ええ」

初枝に肱を突かれて、新太郎が言うと、他吉は噛んだろかというような顔をした。

「情けないこと言う男やな。新太郎、よう聴きや、人間はお前、若い時はどこイなと、遠いとこイ出なあかんネやぜ。――お初はわいが預っててやるさかい、マニラへ行って、一旗あげて来い」

「…………」

二度焼け出されたようなものだと、新太郎が首垂れていると、

「行くか、行けへんか。どっちやねん? 返事せんか。行かんと言うネやったら、わいにも考えがある。お初を……」

「お父つぁん。何言うてんねん。死んだお母(か)はんの……」

遺言忘れたかと、初枝が言いかけるのを、

「お前は黙ってエ」

「黙ってられるかいな」

と、壁一重越しにきいていた〆団治が、くるくるした眼で、はいって来て、

「――他あやん、お前の言い分は、そら目茶苦茶や」