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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがまち

わが町

織田 作之助

Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme

Aozora Bunko

地蔵路地は※の字に抜けられる八十軒長屋である。

なか七軒はさんで凵の字に通ずる五十軒長屋は榎路地である。

入口と出口が六つもある長屋もある。狸(たのき)裏といい、一軒の平家に四つの家族が同居しているのだ。

銭湯日の丸湯と理髪店朝日軒の間の、せまくるしい路地を突き当ったところの空地を、凵の字に囲んで、七軒長屋があり、河童路地という。

この空地は羅宇(らお)しかえ屋の屋台の置場であり、夜店だしの荷車も置かれ、なお、病人もいないのに置かれている人力車は、もちろん佐渡島他吉の商売道具である。

この空地は洗濯物の干場にもなる。けれど、風が西向けば、もう干せない。日の丸湯の煙突は年中つまっていて、たちまち洗濯物が黒くなってしまうのだ。

羅宇しかえ屋の女房は名古屋生れの大声で、ある時、亭主を叱った声が表通りまできこえ、通り掛った巡査があやしんで路地の中まで覗きに来たというくらい故、煙突の苦情は日の丸湯の番台へ筒ぬけだが、日の丸湯の主人はきかぬ振りした。

また、長屋の中で、改まって煙突の掃除のことで、日の丸湯へ掛け合った者はひとりもない。

日の丸湯の主人というのは、先代より引き続いて、河童路地の家主であり、横車(ごりがん)も振る男であった。