Japanische Klassiker mit Furigana
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わがせいしんのしゅうい
わが精神の周囲
Lesen Sie わが精神の周囲 (わがせいしんのしゅうい) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.670 Zeichen · 32 Bildschirme
あんたがどんな偉い人かは知らんが、この婆アに足で頭を踏みつけられた、腹が立つ、帰れ、ハア、帰りましょう、ハイ、サヨナラ、それだけのことじゃ」
この婆さんの温灸というのは、由来書の通りに云えば、菅平高原から採取している十何種かの高山植物と、動物のホルモン等々をねり合せた黒色のウニのようなものをガーゼの上へ一センチぐらいの厚さにつみ、その上へモグサを山ともりあげて燃すのである。黒色のウニのようなものが多分に液汁を含んでいるから、それが燃えない限り、さのみ熱くはなく、熱くなると、やめるという仕掛けで、終るまでに一時間ぐらいはかゝるかも知れぬ。ここをやると眠くなる、と、頭のテッペンや頸筋へも温灸をやった。
「これをやると赤血球白血球一万ふえる。何よりホルモンが貴重な薬を通じて移るから、これをやると、女が十人あってもまだ足らないというほど精力が溢れる。あんたの頭は毛が薄いが、ハゲは三日で、黒い毛が生えるようになる」
大きなことばかり云っている。どうせ医者の薬も治しゃせぬ、という病気に憑かれてのことであるから、これも余興、朝晩四日やった。一向に効き目がない。睡む気もさゝないのである。