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Japanische Klassiker mit Furigana

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「インガ」

「インガ」

宮本 百合子

Lesen Sie 「インガ」 von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.443 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

一日中気違いみたいに働いて、またここで……」

ドミトリーは、いきなりとってつけもなく云った。

「お前、体を洗わなかったんか? 変に匂うぜ……」

一言が、思い掛けない結果になった。グラフィーラは、刺されたように床から跳び上った。

「いやかい? いやんなって来たのかい私が。知ってるよ、いやなのは! そう云いな。何故だましてるんだ? どうして私を嬲もんにしてるんだよ!」

彼女は、震える手でインガからの手紙をドミトリーにつきつけた。

「恥しらず! 卑劣漢! こんなこたなかったって云うつもりか。え?」

黙りこくってその手紙を眺めたのち、ドミトリーはのろのろポケットへしまい込んだ。

やがて、同じようにのろくさ云った。

「――じゃ、片をつけよう、こうなったからにゃ。」

「片をつける?」

インガと話していた時には、とても言えないと思っていた言葉が遂に出た。ドミトリーは勇気を失うまいとしながら、グラフィーラの、家事で荒れて大きい手をとった。

「グラーシャ! わかってくれ。俺あ育ったんだ。元の俺じゃなくなったんだ。」

月給を貰うと、まあ自分には時計の鎖でも買ったり、グラフィーラに新しいショールでも買ってやる。