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Japanische Klassiker mit Furigana

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インチキあゆ

インチキ鮎

北大路 魯山人

Lesen Sie インチキ鮎 (インチキあゆ) von 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.050 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

それにあゆの本当を知らぬひとびとが、彼の政略にまんまと引っかかった。しかし、この店も料理人の野本君が出てからは、なんだかすっかりだめになってしまった。

だが、こんなインチキが、必ずしも過去の語り草ばかりではなく、現在築地あたりでこの手をやっているところがないではない。

ある日河岸へ行ってみると、あゆのついた弁当が十五銭でできるという話をしている者があった。腐っても鯛という諺はあるが、いかになんでもあゆである。安くても三十銭や五十銭はするであろうのに、あゆをつけて一つの弁当にしたのが十五銭とは何事だと、これには私もいささか驚いた。

ところが、底には底があるもので、河岸あたりであゆが売れ残ると、これを冷蔵庫へストックしておく。それがいつとはなしに何千何百とたまってくる。そうなると、その処分に困ってくる。腐ってもあゆだとすましてはいられない。そこで捨てるよりはましだというわけで、これを抜け売りに出す。こんな次第でその際には五厘のあゆ、三厘のあゆというのができる。まさか三厘や五厘でもあるまいが、二銭か三銭で相場が立ったらしい。

もちろん、わたなどないにきまっているが、ともかくあゆ入り弁当が十五銭ででき上がったのである。