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Japanische Klassiker mit Furigana

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インドラのあみ

インドラの網

宮沢 賢治

Lesen Sie インドラの網 (インドラのあみ) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.369 Zeichen · 49 Bildschirme

Aozora Bunko

(とうとうまぎれ込んだ、人の世界のツェラ高原の空間から天の空間へふっとまぎれこんだのだ。)私は胸を躍らせながら斯う思いました。

天人はまっすぐに翔けているのでした。

(一瞬百由旬を飛んでいるぞ。けれども見ろ、少しも動いていない。少しも動かずに移らずに変らずにたしかに一瞬百由旬ずつ翔けている。実にうまい。)私は斯うつぶやくように考えました。

天人の衣はけむりのようにうすくその瓔珞は昧爽の天盤からかすかな光を受けました。

(ははあ、ここは空気の稀薄が殆んど真空に均しいのだ。だからあの繊細な衣のひだをちらっと乱す風もない。)私はまた思いました。

天人は紺いろの瞳を大きく張ってまたたき一つしませんでした。その唇は微かに哂いまっすぐにまっすぐに翔けていました。けれども少しも動かず移らずまた変りませんでした。

(ここではあらゆる望みがみんな浄められている。願いの数はみな寂められている。重力は互に打ち消され冷たいまるめろの匂いが浮動するばかりだ。だからあの天衣の紐も波立たずまた鉛直に垂れないのだ。)

けれどもそのとき空は天河石からあやしい葡萄瑪瑙の板に変りその天人の翔ける姿をもう私は見ませんでした。