Japanische Klassiker mit Furigana
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オンチ
オンチ
夢野 久作
Lesen Sie オンチ von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.673 Zeichen · 42 Bildschirme
その縁故なんだ」
「そうじゃったかなあ……なるほど……」
「中野さんは九大出の秀才で、柔道が三段とか四段とか……」
「うん。それは知っとる。瘠せとるがちょっと強い。一度、肩すかしで投げられた事がある」
「この頃、社長の星浦さんの我儘娘を貰うことになっているんだ……中野さんが……」
「知っとる。あの孔雀さんちうモガじゃろ」
「ウン。それで社長から海岸通りに大きな地面を貰っているんだが、結婚前に家を建てなくちゃならんし、自動車も買わなくちゃならねえてんで、中野さんが慌て出している。相場に手を出したり、高利貸から金を借りたりしているっていう戸塚の話だ」
「戸塚の妹が喋舌ったんか」
「そうらしいよ」
コスモスの向うの中野学士はほかの四人の指導者格らしく、中央のネット際に立って前後でボールを打ち合っている四人に色々苦情を云い初めた。
「戸塚ッ……お前はどこでテニスを遣ったんだっけね」
「中学で遣ったんです。後衛でしたが」
「スタートが遅いね。我流だね。ホラホラ……」
「ええ。この拝借した地下足袋が痛くって……」
「ハハハ……俺の足は小さい上に、足袋が新しいからね」
「これ……太陽足袋ですね」