Japanische Klassiker mit Furigana
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オンチ
オンチ
夢野 久作
Lesen Sie オンチ von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.673 Zeichen · 42 Bildschirme
だからあの話から思い付いて、万が一にも抜目の無えつもりでキチンとした計画を立てたのが、いけなかったんですね。つまり貴方の頭が良過ぎたんだ」
「……………」
「ねえ。そうでしょう。今貴方がお穿きになっているその新しい太陽足袋ですね。そいつがきょう、テニス・コートで物をいっちゃったんでさあ。あの話は、ほかの連中もみんな聞いているんですからね。あっしが出る処へ出れあ、証人はいくらでも……」
「よしッ。わかったッ。もう云うな……半分くれてやる」
「エッ。半分……」と戸塚が叫んだ。
「……ヘエッ……半分ですって……」
「同じ事を二度とは云わん。テニスの道具を蔵ってあるあの部屋のラケット箱の下に床板の外れる処が在る。その下に在る新聞紙包みをここへ持って来い」
戸塚は茫然となって相手の顔を見た。相手の顔はニコニコしていた。
「……馬鹿……何をボンヤリしているんだ。その新聞紙包みをここに持って来いよ。分けてやるからな。テニス倉庫の鍵はこれだ。ホラ……」
戸塚は何という事なしに、慌てて頭を一つ下げた。鍵を受取ってポケットに入れようとしたが、その一刹那に片手でデッキの欄干に掴まっていた中野学士が鮮やかな足払いをかけた。