Japanische Klassiker mit Furigana
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カインのまつえい
カインの末裔 クララの出家
有島 武郎
Lesen Sie カインの末裔 クララの出家 (カインのまつえい) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.864 Zeichen · 93 Bildschirme
雨は膚まで沁み徹ってぞくぞく寒かった。彼れの癇癪は更らにつのった。彼れはすたすたと佐藤の小屋に出かけた。が、ふと集会所に行ってる事に気がつくとその足ですぐ神社をさして急いだ。
集会所には朝の中から五十人近い小作者が集って場主の来るのを待っていたが、昼過ぎまで待ちぼけを喰わされてしまった。場主はやがて帳場を伴につれて厚い外套を着てやって来た。上座に坐ると勿体らしく神社の方を向いて柏手を打って黙拝をしてから、居合わせてる者らには半分も解らないような事をしたり顔にいい聞かした。小作者らはけげんな顔をしながらも、場主の言葉が途切れると尤もらしくうなずいた。やがて小作者らの要求が笠井によって提出せらるべき順番が来た。彼れは先ず親方は親で小作は子だと説き出して、小作者側の要求をかなり強くいい張った跡で、それはしかし無理な御願いだとか、物の解らない自分たちが考える事だからだとか、そんな事は先ず後廻しでもいい事だとか、自分のいい出した事を自分で打壊すような添言葉を付加えるのを忘れなかった。仁右衛門はちょうどそこに行き合せた。彼れは入口の羽目板に身をよせてじっと聞いていた。