Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
カインのまつえい
カインの末裔 クララの出家
有島 武郎
Lesen Sie カインの末裔 クララの出家 (カインのまつえい) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.864 Zeichen · 93 Bildschirme
そして二、三人ずつ何か談り合いながら小作者らは小屋をさして帰って行った。やや遅れて伴れもなく出て来たのは佐藤だった。小さな後姿は若々しくって青年のようだった。仁右衛門は木の葉のように震えながらずかずかと近づくと、突然後ろからその右の耳のあたりを殴りつけた。不意を喰って倒れんばかりによろけた佐藤は、跡も見ずに耳を押えながら、猛獣の遠吠を聞いた兎のように、前に行く二、三人の方に一目散にかけ出してその人々を楯に取った。
「汝ゃ乞食か盗賊か畜生か。よくも汝が餓鬼どもさ教唆けて他人の畑こと踏み荒したな。殴ちのめしてくれずに。来」
仁右衛門は火の玉のようになって飛びかかった。当の二人と二、三人の留男とは毬になって赤土の泥の中をころげ廻った。折重なった人々がようやく二人を引分けた時は、佐藤は何所かしたたか傷を負って死んだように青くなっていた。仲裁したものはかかり合いからやむなく、仁右衛門に付添って話をつけるために佐藤の小屋まで廻り道をした。小屋の中では佐藤の長女が隅の方に丸まって痛い痛いといいながらまだ泣きつづけていた。炉を間に置いて佐藤の妻と広岡の妻とはさし向いに罵り合っていた。